|
|

|
Q1.妊娠した場合、歯科治療は可能ですか
|
A1.この表からも、特に妊娠初期は胎児に有害な影響を及ぼすおそれがあり、治療は慎重を期す必要があると言えます。とくにつわりによる吐き気や、歯科治療に際して急に診療台を水平に動かすと、失神や体位性低血圧を生じる可能性にも注意が必要です。
また、妊娠中期は比較的安定しており、通常の歯科治療が可能であるが、妊娠末期ともなれば、全血量の1/6が子宮内に集中するため、仰臥位において、突然の低血圧、呼吸困難、意識喪失が生じる仰臥位性低血圧症候群が10%に見られます。この時期の治療は応急処置などに留めるべきでしょう。
|
妊娠の時期
|
初 期
|
中 期
|
後 期
|
|
期 間
|
〜4カ月
|
5〜7カ月
|
8カ月〜
|
|
症 状
|
流産、つわり 体位性低血圧
|
症状少なく安定
|
妊娠中毒症、早産 仰臥位性低血圧
|
|
薬剤の影響
|
胎児致死、流産 奇形、発育の抑制
|
奇形、発育の抑制 |
胎児循環持続症
分娩遅延 |
|
歯科治療
|
口腔衛生指導
応急処置のみ |
出産までに終了すべき、通常の歯科治療 |
応急処置 刺激による早産、仰臥位性低血圧への注意
|
|
|
Q2.レントゲンの撮影は影響あるのでしょうか?
|
| A2.国際放射線防護委員会(ICRP)の基準によれば、器官形成期における、奇形発生のレベルは0.1歯科で使用されるレントゲンの強さ(線量)は歯科で使用されるレントゲンの強さ(線量)は0.1Gyとされています。歯科で使用されるレントゲンの強さ(線量)はデンタル型X線撮影での生殖腺被曝量は多くても0.009μGyであり、基準値よりは、はるかに少ない量です。しかも、撮影時には防護用の鉛入りのエプロンを使用しますので、通常は胎児にはほとんど影響はないと考えられます。
|
|
Q3.麻酔の注射は影響あるのでしょうか
|
| A3.歯科では、抜歯などの外科処置の他、患者様に無痛で治療をを行うために麻酔を行うことが日常化しています。その使用に関しては、通常の使用量であれば、母体、胎児ともに影響は少ないと考えられています。しかし、麻酔薬に含まれている血管収縮剤は投与量が多くなれば子宮血管の収縮による胎児への血行障害、無酸素症などの影響が懸念されます。むしろ、治療への不安や注射に対する過度の緊張から、心悸亢進や、呼吸の切迫感などを招きやすい状態にあります。医師側から治療の説明を充分に行い、患者様の理解と信頼を得てから治療を行うことが重要です。
|
|
Q4.お薬の影響はどうでしょうか
|
| A4. 薬剤に関しては、どんなものでもおそらく100%安全と言い切れるものは無いでしょう。薬剤は、治療のためとは言え、人体に何らかの影響を与えることこそが目的であり、全く安全ということは、全く効かないという意味かもしれません。妊娠している時期には歯科の薬みならず、風邪や頭痛薬など一般の売薬でも、できれば飲まないにこしたことはありません。これらの薬剤は、歯科医師が治療の有益性が副作用等のリスクを上回ると判断された上で投与されるものです。従って、特に妊婦さんには、ご理解の上、できるだけ安全性の高いものを選択します。もちろん長期の連用は避け、必要なものを最低限お出しするように心掛けております。
患者様の立場で、お考えになっていただきたいのは、例えば、歯が急に痛くなったとき、以前治療していたときにもらった薬の残りがあるとか、家族のもらった薬、整形外科や内科などの他の病院から痛み止めでもらった薬を、間に合わせで飲まないようにして欲しいということです。それらは特に妊婦さんには、注意すべきお薬かもしれません。 |
|
Q5.お母さんの虫歯が赤ちゃんにうつると聞いたのですが?
|
| A5. 歯科医師の目から見ていると、虫歯の多い子供さんのお母さんも口の中が悪そうに見えます。実際に、確認することは、めったに出来ませんが、面白い研究があります。生まれたばかりの赤ちゃん、新生児の口の中には、ほとんど細菌は確認されません。ところが、生後数週間で、腸の中に繁殖する細菌(常在菌)とともに口の中にも各種の細菌が繁殖し始めます。その細菌の種類、特徴などは、お母さんの口の中の細菌の状態とほとんど同じであるということです。このことは、虫歯のもっているお母さんの子供さんには虫歯の原因となる細菌が入り込みやすいということですね。また、こういう報告もあります。虫歯の元になる細菌をたくさんもっていて虫歯になりやすい傾向のあるお母さんを2つのグループにわけて、一方には、食生活の指導、虫歯の治療、口腔衛生指導、フッ素塗布などを行い、もう一方のグループには従来どおりにしてもらいました。ある期間がたって2つのグループの子供さんたちの口の中を調べたところ、虫歯の細菌を減らす努力をしていたお母さんのグループの赤ちゃんの口の中からは、虫歯の原因となる細菌が減少していました。お母さんの口の中の状態がいかに子供さんに影響するかお解りいただけたでしょうか。
|
|
Q6.妊娠すると母親の歯が悪くなるの?
|
A6.それは全くの「迷信」です。歯はカルシウムの代謝と関係がありません。
「妊娠すると歯のカルシウムが子供のほうに取られ、それで歯が弱くなり、虫歯にな りやすくなる」とか「妊娠するたびに歯が痛くなる」といわれますが、これは医学的根拠は全くありません。
カルシウムの代謝は骨で行われており、歯は一度カルシウム が沈着して完成したら、また血液のなかに溶け出すということは、絶対にないのです。
確かに結婚をして、妊娠をすると歯が悪くなります。その第一の原因は食生活が変わることです。
妊娠するとつわりのひどい人もいます。またまた食生活の好みが変わります。何を 食べてもムカムカするひと、臭いをかいでもムカムカするひと、口の中にものが入れられない人など、この現象は様々です。当然歯ブラシを口に入れたくなくなります。
だから歯もろくに磨かなくなります。虫歯の発生にとって好条件が揃ってしますのです。
それに虫歯ができても、結婚する前と違い、待たされる歯科医院に、おいそれと通うことができないのです。痛いとき、痛みだけ止めて、放置してしまうことも非常に多くなります。
どうしても生活の乱れが起きます。そのために歯を悪くするのです。
|
|
Q7.むし歯以外にもかかりやすい歯の病気は?
|
A7.妊娠中はむし歯以外にも多くの病気にかかりやすくなります。
@妊娠性歯肉炎、口内炎・・・歯ぐきなどから出血しやすくなります。
A歯周病・・・・・・・・・・・・・・・妊娠性歯肉炎と重なってしまうと進行が進みます。
B歯性中心感染症・・・・・・・・歯の慢性化膿性炎症から体の他の部位に異常を起こします。
このほかにも様々な病気にかかることがあります。定期検診をお勧めします。また、放っておいても治りませんので異常がわかったらすぐに当医院にご相談下さい。
|
|
Q8.妊娠期の食生活は?
|
A8.母体や赤ちゃんのために栄養のバランスがとれる理想的な食事は、赤ちゃんの歯にとってもよいことです。赤ちゃんの歯は、妊娠して1ヶ月頃からつくられ始めて3ヶ月頃にはカルシウムを主とした無機質が沈着して固くなっていきます。赤ちゃんの歯の形成期につわりによる偏食や薬を多用した場合、質の悪い歯ができてしまいます。
妊娠しているからといって全く治療ができないわけではありません。ご自身の歯と赤ちゃんの歯を守るためにも口の中の異常には十分に気をつけて下さい。
|
|